納税証明書の取り方、ネットで完結【PDFで取得する方法】
融資の申込みや入札に参加するときなどに必要な納税証明書。
これまでは税務署に足を運んで発行の手続きする必要がありましたが、2021年7月からPDFでの発行に対応し、自宅やオフィスで手続きを完結できるようになりました。
今回、私も実際に請求手続きをしてみましたので、手順をくわしく紹介します。
手順は動画でも紹介しています
納税証明書の発行がネットで完結
2021年7月、国税庁は納税証明書の請求から受け取りまでを、インターネットで完結できるようにしました。
これまでにも納税証明書の交付請求はオンラインでできましたが、今回新たにPDFデータでの発行にも対応しました。
- e-Taxを使って自宅やオフィスから納税証明書の請求
- インターネットバンキングなどで手数料を納付
- PDFをダウンロード、印刷
PDFデータを印刷したものは原本として利用できます。自宅で何枚でも印刷できるため、複数部必要なときは経済的になりました。
納税証明書をインターネットで取る方法
納税証明書をインターネットを使って請求し、データを受け取るまでの流れを確認していきましょう。
全体の流れは以下のとおりです。
- e-Taxソフト(WEB版)の利用準備
- ログイン
- 申請手続き
- 電子署名の付与と送信
- 手数料の支払いとデータのダウンロード
1. e-Taxソフト(WEB版)の利用準備
今回、納税証明書は「e-Taxソフト(WEB版)」を利用して請求します。
WEB版はパソコンへのインストールが不要で、ブラウザからアクセスできます。源泉所得税の納付で利用されている会社も多いかもしれませんね。
また初めて利用する場合は「電子証明書等の取得」やセットアップが必要です。
詳しい手順はe-Tax(WEB版)で紹介されているので、参考にしてください。
2. ログイン
e-Taxソフト(WEB版)にログインするには、以下の2つの方法があります。
- マイナンバーカードによるログイン
- 利用者識別番号によるログイン
個人の方はマイナンバーカードをカードリーダライターかスマホで読み取ることで、ログインできます。
3. 申請手続き
ログインしたら「申告・申請・納税」から進みます。
(初めて使う人は一番左の「利用者情報の登録・確認・変更」から登録をします。)
「新規作成」から「納税証明書の交付請求」を選択。
交付方法の選択で「2.納税証明書を電子ファイルで受け取る」を選択。
電子証明書の登録が済んでいないと、ここがクリックできません。先に済ませておきましょう。
交付ファイルの種類は「PDF形式」、請求方法の選択は「1. ご自身の納税証明書を請求される方」を選択。
提出先税務署等の入力は設定した登録情報が自動で入力されます。
個人は「個人番号」の入力をします。
すると証明書の種類の選択に移ります。
「納税証明書」と言っても、「その1」〜「その4」まで種類があります。事前にどの証明書が必要なのか確認しておきましょう。 今回は「その1」を申請しました。
証明書の種類(税目)、証明を受けたい年度を選択。法定納期限や源泉徴収税額の証明も必要であればチェックを入れます。
「資金借入」など証明書の使用目的を選択します。
ここまで進むと、入力した内容を確認できます。
4. 電子署名の付与と送信
申請内容を送信する前に「電子署名の付与」が必要になります。
「媒体の選択」はほとんどの人が「カードタイプ」になるかと思います。
「認証局サービスの選択」で電子証明書を発行した認証局サービスを選びます。多くの人はマイナンバーカードを使っていると思われます。
マイナンバーカードの読み取りはカードリーダライタかスマホでできます。
カードリーダライタは2,000円程度で買えます。スマホで読み取る場合は「マイナポータル」アプリのインストールが必要です。
読み込んだら認証用のパスワードを入れてOKを選択します。
すると以下のように電子署名の欄が「署名済」に更新されますので、この内容で送信します。これで申請が完了です。
5. 手数料の支払いとデータのダウンロード
申請を送信してからしばらくすると、データをダウンロードできるようになった旨を伝えるメッセージが届きます。
メッセージは「送信結果・お知らせ」から確認できます。
メッセージから納税証明書を発行します。
手数料は1通370円です(窓口で申請する場合は400円かかります)。支払いはインターネットバンキングが便利です。「インターネットバンキング」のボタンから支払いに進みます。
支払いが完了するとPDFデータがダウンロードできます。
今回は申請から2時間程度で発行できましたが、翌日、法人として申請をしたところ30〜40分でメッセージが届きました。
納税証明書のデザインが変更
また納税証明書がPDFで発行できるようになったことに合わせて、デザインも変更されています。
新デザインでは
- プリンターでも印刷できる偽造防止技術を採用
- 証明書の信頼性を確保
- 証明内容を国税庁のホームページでも確認可能
というように、セキュリティと利便性が向上しています。何枚でも印刷できるようになったのはとても便利です。
初めての場合は、設定に多少の手間がかかりますが、源泉所得税の納付などで日頃から利用されているのであれば、追加の手間はほとんどありません。
これまでの発行方法よりもかなりラクになったので、ぜひこの記事を参考にして使ってみてください。