株式会社と合同会社の違い 設立時の7つのポイント
会社の設立というと、種類としては
株式会社・合同会社・合名会社・合資会社・一般社団法人などがありますが、起業家の一般的な会社の設立形態として候補に挙がるものは、株式会社と合同会社です。
どちらの形態をとっても1人で会社を作る事はできます。
それでは、この株式会社と合同会社、
どこが違うのでしょうか?
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株式会社と合同会社(LLC)の違い 7つのポイント
株式会社 | 合同会社(LLC) | |
商号(会社名) | ○○株式会社又は株式会社○○ | ○○合同会社又は合同会社○○ |
最低資本金 | 1円以上 | 1円以上 |
出資者の数 | 1人以上 | 1人以上 |
出資者の責任の範囲 | 有限責任 | 有限責任 |
役員の数 | 取締役1人以上(監査役はなしでOK) | 社員(出資者)1人以上 |
役員の任期 | 2年~10年の定めた期間で改選が必要 | 任期なし |
代表者 | 代表取締役 | 代表社員 |
決算公告 | 必要 | 不要 |
社会的信用度 | 高い | 株式会社より低い |
設立費用(定款認証・登録免許税) | 242,000円(法定費用) | 100,000円(法定費用) |
株式公開 | 出来る | 出来ない |
配当 | 出資比率に応じて配当 | 定款に割合を定める事が出来る |
① 商号(会社名)の付け方の違い
株式会社なら、
○○株式会社 又は 株式会社○○
合同会社なら、
〇〇合同会社 又は 合同会社○○
といった形で、
会社名の前か後ろに株式会社(合同会社の場合は合同会社)
と入れる必要があります。
商号は、同じ住所に同じ会社名がなければOKです。
また、世間的に有名な企業と同じ名前は避けましょう。
② 出資者や役員の関係
出資者(資本金の支払いをする人)は株式会社・合同会社ともに1人以上でOKです。
株式会社は出資者(株主)と代表取締役が同じ人物でも違う人物でも構いません。
合同会社の場合、出資者=社員となります。
合同会社の社員というのは、株式会社でいうと取締役のイメージです。
このことから、合同会社は株式会社でいうところの株主と役員が必然的に同じになります。
同会社も株式会社も1人だけで会社を作る事ができます。
また、代表者の肩書ですが、
株式会社の代表は、代表取締役。
合同会社の場合、代表取締役ではなく代表社員となります。
注意が必要な部分として、
出資者は、会社を保有する人になるので、
複数人で出資する場合は気を付けないといけません。
やはり、事業の中心となる人物の所有割合については、全株式の内の過半数以上又は2/3以上の株式を所有するようにしたいところです。
これが事業の中心となる人物が株式の内の半分も持っていない場合には、他の株主の意見を聞く事になり、最終的な決定権がないため物事を進めにくくなります。
③ 役員の任期
株式会社の場合、役員には任期というものがあります。
取締役が2~10年の間で、
監査役については4年~10年の間です。
(監査役はなしでもOKです。最近設立する会社では監査役はなしというところがほとんどです。
この役員の任期は、会社設立時に定款で定めます。)
この任期が来ると、役員改選の手続きが必要です。
手続き費用としては、登録免許税1万円+司法書士の手数料の2、3万円~程度が必要となります。
株式会社の任期の考え方ですが、
1人で会社を作る場合には最長の10年で問題ありません。
ただ、複数人で経営する場合には役員の入れ替わりもありえますので、状態によって任期を短くするように考慮する必要があります。
合同会社は任期がなく、役員改選の手続きをする必要がありません。
その面ではメリットの1つです。
④ 会社を作る設立費用が違う
合同会社は設立費用が少ないというのが大きな特徴となります。
実費部分は合同会社が100,000円、株式会社は242,000円となります。
(プラス専門家への手数料)
※それぞれ電子定款で認証した場合には、印紙代が不要となりマイナス4万円です。
⑤ 社会的信用度の違い
社会的信用度という面を重視すると株式会社を選択する事になります。
合同会社も設立数が増えて来ていますが、認知度はまだまだ低いですし、低料金で会社を作れるというイメージもあり、資金調達の面でも株式会社が有利です。
社会的信用度を考えるならば株式会社となってきます。
⑥ 株式の公開が出来るか?出来ないか?
合同会社は株式公開(上場)ができません。
上場をするならば株式会社です。
⑦ 配当の方法が違う
株式会社は、株主の出資割合に応じて配当をしますが、合同会社の場合は出資割合によらず定款に定める事で配当の割合を変える事が出来ます。
株主の出資割合に応じずに配当が出来るのは、合同会社の設立のメリットです。
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株式会社と合同会社の違いと選び方のまとめ
いかがでしたでしょうか?
会社を作る際に迷うとすれば、この株式会社か合同会社のどちらかの場合が多いです。最近では、合同会社の設立も増えてきました。
⇒ 株式会社と合同会社の設立件数について
たまにあるパターンとしては、まず合同会社を設立し、軌道に乗ってきたら株式会社に変更するというパターンです。
ただ、株式会社に変更するには、手数料もあわせて20万円程度の登記代金が必要となりますし、様々な届け出や会社名が変わることになり、封筒・名刺・ホームページなどにも影響することになります。
株式会社にしようと考えているならば、
始めから株式会社にしておく事をおすすめします。
株式会社の設立を選ぶ場合はこんなとき
株式会社を選択する一番の理由は、社会的信用度の高さです。
この社会的信用度の高さは、得意先・仕入先・融資を受ける場合・従業員の雇用をする場合など、あらゆる場面で関係してきます。
また、そもそもの会社設立の目的が社会的信用度を得るためという場合が多いので、そういったときには株式会社の設立という事になります。
合同会社の設立を選ぶ場合はこんなとき
逆に合同会社の設立を選ぶときは、
社会的信用度を必要としない場合です。
会社名を使わずに、屋号を全面に出して事業をしているところなどは、社会的信用度の影響があまりありません。
例えば、飲食店の場合、
お店の名前には株式会社や合同会社などの名称は使いません。
もちろん、法人としてお店を運営しているところもありますので、そういったところは会社名を使わずに屋号をつけています。
こういった事から、合同会社は、
社会的信用度を必要とせず、会社自体も大きくするつもりがない場合に、設立費用が安いという事から選択肢に入ってきます。
株式会社と合同会社の設立で迷われたときはご相談下さい。
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