利益とお金の関係をつかめば財務が分かる!
会社は利益が出ているのにお金はなかなか残らないという事はないでしょうか?
最終利益で黒字が出ているのに現預金は減っている・・・
こういった場合は、なぜそのような事になっているのか?
早めにその原因を知っておかなければいけません。
いくら利益が出てもお金が減っていく一方では意味がありません。
お金が会社に残ってこそ健全な経営です。
どれだけ利益が出ていたとしても、お金がショートしてしまえば回らないので・・・
利益とお金の関係が理解できると財務が分かるようになってきます。
貸借対照表・損益計算書に資金繰り表、
この3つの関係を理解するようにしましょう。
利益が出ているのにお金が減る。考えられる原因について
借入金やリースなどの返済が多い
利益が出ていても、それ以上に借入金の返済をしている場合があります。
借入金の返済は経費にはなりません。
⇒ 借入金の返済が経費になるかどうかは一番間違えやすいポイント!
経費にならないけれど、お金はでていきます。
利益は出ているけれどお金は残らない、という事につながります。
また、リースも基本的には借り入れと同じ扱いです。
リースは気軽に組んでしまう部分もありますが、借入金だという意識を持っておく必要があります。
借入金とリースの毎月の返済額を把握しているでしょうか?
この数字はかなり重要な数字です。
設備投資を行った
製造業なら機械などの購入。
その他コピー機などの備品や営業車の購入など。
減価償却の対象となる資産の場合には、一度に経費とはなりません。
資産として計上した後、耐用年数に応じて経費計上していきます。
例えば、300万円の車を買った場合。
耐用年数表というものがあって用途や種類によって耐用年数が決まっています。
今回の車は6年とします。
この場合は300万円を6年で按分して経費にしていくイメージです。
お金は出ていくけれど、資産の購入なので経費とはなりません。
(減価償却費として期間按分に応じ経費となります)
利益は出ているけどお金は残らない、という事になります。
この場合は、資産を購入しているのでイメージがつきやすいかと思います。
売上で回収できていないものがある
売上をあげたけれど、そのお金を回収できていない場合です。
これは考える以上に影響が大きいです。
例えば、仕入れ原価70万円(原価率70%)の商品を100万円で売った場合。
このときに売上の100万円が回収できないとすると・・・
まるまる100万円の資金がとんでいく事になります。
この100万円を他で取り返そうとすると・・・
他のところで単純にプラス100万円の売上をあげてもカバーできるわけではありません。
他でプラス100万円の売上があったとしても、
粗利益は100万円ー70万円=30万円
粗利益で30万円取り戻せただけです。
100万円を他で取り返そうとすると、最低でも333万円の売上を追加であげる必要が出てきます。
(粗利益率が30%の場合)
売上333万円ー仕入233万円=100万円
一つの未回収を他でカバーするのは大変ですよね。
売上代金の回収はそれだけ重要です。
少し話がずれましたが、
売上として計上しているのにお金を回収していなければ当然手許には資金が残らないことになります。
資金のサイクルが悪い
売上と仕入れの入金と支払時期の問題です。
例えば、仕入れは即現金払い。
売上が末締めの翌月末入金などという場合。
このようなサイクルだと、
売上があがればあがるほど資金繰りが苦しくなります。
売上の入金日と仕入れなどの支払日はかなり重要です。
少なくとも売上の入金日のサイクルを仕入れのサイクルよりも短くしておきたいところです。
売上の入金日はなるべく早く、仕入れの支払日はなるべく遅く。
これを徹底すればするほど資金にゆとりが生まれます。
利益とお金の関係のまとめ
このように利益とお金のずれというのは起こってきます。
そのずれがどこに出ているかを把握しておく事が重要です。
そのずれを把握し、貸借対照表と損益計算書・資金繰り表との関係が分かれば、財務の理解が一気に深まります。
ここまで理解できる事で、財務面にも自信を持つことが出来て、新店舗の出店や投資などお金の計画を立てやすくなりますし、ダメなときの判断力もより正確に出来ます。
営業力のある拡大志向のある経営者が、財務を理解できると強いですね。