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【リミックスポイント】2020年3月期の第3四半期決算について/仮想通貨(暗号資産)の取引所と販売所の違い

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【リミックスポイント】2020年3月期の第3四半期決算について_仮想通貨(暗号資産)の取引所と販売所の違い
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2020年2月14日に、リミックスポイント(3825)が2020年3月期の第3四半期決算(2019年10月〜12月)を発表しました。

決算短信決算補足資料を基に解説していきます。

動画での解説はこちらからとなります。

リミックスポイントの第3四半期決算について

第3四半期累計(前期比)の全体の業績

まずは、前期の第3半期累計(2018年4月〜12月)との比較です。

・売上 約-12億円(-1,232百万円)
・経常利益 約-4億円(-411百万円)
・純利益 約-42億円(-417百万円)

金融関連事業トレーディング損失と、7月にあった仮想通貨の流出(特別損失約37億円)が主な原因となりました。

各事業ごとの損益の推移

損益の推移を見ていきます。

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横の欄は2018年4〜6月から2019年10月〜12月までの3ヶ月ごとの推移です。

リミックスポイントの主な業種は以下の4つです。

エネルギー関連事業
自動車関連事業
金融関連事業
旅行関連事業

エネルギー関連事業

売上は横ばいですが、今回の第2四半期と3四半期では、それぞれ1億円を超える利益が出ています。仕入れの調達単価が下がったため売上自体は減っていますが、利益は出ているのでプラスの要素です。

自動車関連事業

売上はほぼ横ばいで、利益はほぼゼロの状態が続いています。

金融関連事業

2018年10月〜12月、2019年1月〜3月に売上がマイナスになっています。
売上がマイナスというのは通常ではありえません。

 

これは、リミックスポイントの子会社のビットポイントジャパンが仮想通貨を売買して、トレーディング損失を出したことによるもの(売上のマイナスでの経理処理となります)で、本来の売上よりトレーディング損失の方が多くなった結果です。

2019年7月〜9月(第2四半期)は、仮想通貨の不正流出があったにもかかわらず497百万円の売上が出ていました。
これが、大口取引のものなのか、経常的に出るようなものなのかは注目していましたが、第3四半期の売上は41百万円という結果でしたので、一時的なものだったのだと推察できます。

損益は354百万円のマイナスで、3ヶ月で400百万円ほどの費用がかかっています。

旅行関連事業

売上はほぼ出ておらず、経費は少しかかっている状態が続いています。売上に転嫁できるのはもう少し先になりそうです。

 

第3四半期全体の損益

第3四半期における合計の損益は399百万円のマイナスで、ほぼ金融関連事業のマイナスが全体のマイナスに影響しています。

エネルギー関連事業の内訳

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供給施設数は順調に伸びています。
契約電力は横ばいですが供給施設数が伸びているので、長期的には期待ができそうです。

ただ、代理店数がこれまで伸びていましたが、今回は減りました。
供給施設数の伸びに影響しないか心配されます。
また実際に稼働している代理店数がどれくらいあるのかということも重要になります。

金融関連事業の課題

ビットポイント台湾からの約10億円の損害賠償の提起がありましたが、こちらはまだ収束していません。

また、仮想通貨の流出事件があって以後、取引高が1/10以下にまで減っています。信頼回復が求められている中で、顧客から預かっている仮想通貨をコールドウォレットのみで保管していることは評価できます。

※コールドウォレットとは
セキュリティレベルが最も高い仮想通貨の保管方法。仮想通貨をインターネットから完全に切り離した場所で保管することで、不正アクセスを防止します。

取引高の重要性について

株式売買の場合は証券取引所という一つの場で取引がされます。しかし、仮想通貨は取引所ごとに独立しており、それぞれの取引所の会員だけが売買を行います。そのため、同じ仮想通貨でも取引所間で価格差が生まれます。

そのため取引所を運営する上で取引高は非常に重要になります。

 

サービスの再開

ビットポイントジャパンは、2019年7月の仮想通貨の流出後、サービスを停止していましたが、2019年12月に仮想通貨にかかわる全サービスを再開しました。新規口座の開設も再開しています。

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販売所アプリのリリース

気になるニュースとして、2020年春に向けた販売所アプリのリニューアルがあります。

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仮想通貨における取引所と販売所の違い

仮想通貨を売買する場として、取引所販売所とがあります。
これらの特徴をまとめました。

 

取引所

販売所

役割

利用者同士が売買をする場の提供

販売所が仮想通貨を所有し、投資家と売買する

メリット

利用者は時価で売買できる

販売所が持っている仮想通貨であれば、利用者はすぐに売買できる

デメリット

売りたい人がいない場合、すぐに買うことができない

スプレッド(価格差)の分だけ、利用者は割高になる

 

売買をする利用者の立場からすれば、急がないのであれば取引所で取引をした方が安く買えます。

ビットポイントジャパンはこれまで取引所の営業しかしておらず、手数料も取ってきませんでした。

先述した取引所間の価格差(カバー取引)によって利益を得ていました。しかし今は取引所間の価格差が均衡してきており、利益が取れなくなってきているという事実があります。
販売所の営業を始めるのもそういった影響があるのかもしれません。

株価の推移

仮想通貨の流出後はジリ貧の状態が続いており、2020年2月14日時点での株価は154円です。仮想通貨の盛り上がり前と同じくらいの水準で推移しています。増資をして株数は増えている分、時価総額は上がっています。

エクイティファイナンス

この画像には alt 属性が指定されておらず、ファイル名は 4e4bc8e93bca97ac2addc2b1c32d4896-1.jpg です2020年2月に新株予約権(株式を購入する権利)をリバイブ投資事業組合に割り当てることを発表しました。

リミックスポイントはリバイブ投資事業組合に対して23,952,000株の新規株を発行して、最大約40億円の調達となります。

リバイブ投資事業組合は割安で購入したリミックスポイントの株のほとんどを、売却して利益を稼ぐだろうと予想されます。

その結果、今まで市場になかった2千万株以上の株が市場に売られる可能性があります。

実際に株式が割当られた時点で、リミックスポイントには現金が入るので、すべてがマイナスなわけではありませんが、既存の株主にとっては株の価値が下がることになります。

株式が売られることが前提の厳しい増資だと言えます。

リミックスポイントは定期的に新株予約権を発行しています。投資家はこれを踏まえた上で投資を検討する必要があります。

まとめ

エネルギー関連事業は、比較的安定しておりここ2四半期は1億円超の利益が出ています。
また、供給設備数は増加していますが、代理店数が減少したのが懸念材料です。

金融関連事業は、3ヶ月で4億円ほどかかる固定費をどのようにカバーしていくかが課題です。金融関連事業で利益が出るプランが発表されることを期待されます。

・リミックスポイントは新しい事業を軌道に乗せることに長けています。2月12日のプレスリリースでは電気のシェアリングサービスを発表しました

2019年11月頃から太陽光電力の固定価格買取制度の保証期間が終了し始めています。その後の受け皿として、電力関連事業のノウハウがあるリミックスポイントがその領域に入っていく検討を始めました。夏頃までに結論を出すとのことです。

 

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『役員の決め方や、決算期はこの月の方が良かったのに』…

など、事前にアドバイスをすることにより、より良い状態や節税
となっていたのにという事が多々ありました。

事業を本格的に始める会社を作る段階でその土台部分をしっかりと
築いていくことが重要です。

大阪会社設立相談センターでは、事業を始めた後の事を想定し、
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