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【確定申告の経費】これは経費に入るの?/事業とプライベートの按分の方法

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【確定申告の経費】これは経費に入るの?事業とプライベートの按分の方法
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今回は個人事業主の方を対象に、どういった費用が確定申告の経費に入るのか、事業とプライベートの経費の按分の考え方や具体的な方法について説明します。

動画での解説はこちらからとなります。

 

経費に計上するものの考え方

経費に計上できるかどうかの基本的な考え方は、
事業のために使っているかどうか?」という基準です。
プライベートに使っているものは経費には入りません。

そして、もう一つの考え方が
「その経費が売上を上げるために必要なものかどうか?です。

この2つの考え方が重要となります。

税金関係で経費にできるもの

税金関係で経費にできるもの、できないものの一例を表にまとめました。

経費にできるもの

経費にできないもの

個人事業税

所得税

固定資産税

住民税

自動車税

交通違反の反則金

消費税

 

 

所得税と住民税は経費には含まれません。
間違えやすい項目なので注意が必要です。
交通違反の反則金も経費には入りません。

ただし、税金がすべて経費にならないわけではありません。

個人事業税は経費にすることができます。個人事業税は事業をされている人、不動産所得で事業的規模を超えている人に課税されます。
事業主控除が290万円ありますので、所得が290万円を超えた場合に課税されます。

固定資産税、自動車税については事業に使っている部分を経費に入れることができます。

 

消費税については税込経理の場合、経費計上が必要

消費税は「税込経理」と「税抜経理」の2種類があります。

例:売上が1,000万円、消費税が10%で100万円、現金売上の場合

税込経理の場合は1,000万円と100万円を合計した1,100万円が売上になります。

現金

1,100万円

売上

1,100万円

最終的に消費税を納めるときは

租税公課

100万円

現金

100万円

となり、租税公課として計上することで経費になります。

税抜経理の場合は、売上が1,000万円、仮受け消費税として100万円が計上されます。

現金

1,100万円

売上

1,000万円

 

 

仮受消費税

100万円

税込経理の場合、売上が1,100万円でしたが、税抜経理の場合は売上が1,000万円と100万円低くなっています。

最終的には「仮受消費税」から「仮払消費税」を控除して、その差額が合った場合、消費税を納めますが、経費に計上する金額は発生しません。

消費税を経費に計上できないので税込経理の方が得だと思うかも知れません。

しかし、よく考えてもらうと、税抜経理の場合はそもそも売上が100万円少なく計上されているので、利益は同じとなります。

 

交際費関係で経費にできるもの

 

交際費には飲食代や中元歳暮代、ゴルフのプレーフィーや贈答品代、手土産代、冠婚葬祭にかかわる費用などがあります。

事業に使うことが前提ですが、得意先や仕入先、事業に関係がある人に対するものは経費として認められます。

一方で家族や友人に対するものは経費にはなりません。

事業用とプライベート用の按分について

 

経費の按分でよくある例

経費の按分でよくある例が、「自宅兼事務所」「自動車」「携帯電話」についてです。

自宅の一部を事務所として使っている自宅兼事務所にかかる費用には、家賃、水道光熱費、通信費、修繕費などがあります。

これらの経費について、自宅として使っている部分と事務所として使っている部分とで按分をし、事務所として使っている部分を経費に計上します。

自動車関係の費用には車の減価償却費、任意保険料、自動車税、車検費用などが按分の対象になります。

携帯電話の使用料金も按分の対象です。

按分の具体的な方法

按分について「この費用はこういう方法で按分してください」という具体的なルールは決まっていませんが、「合理的な基準で按分」する必要があります。

自宅兼事務所の場合、使用している床面積で按分する方法が最も採用されます。

例えば、60㎡のマンションの1部屋分20㎡を事務所として使用している場合、20㎡/60㎡の部分が経費として計上されます。

家賃9万円を支払っているのであれば、9万円×20㎡/60㎡で3万円が経費として認められます。

携帯電話であれば利用時間を基準にして、事業で使っている時間だけを経費に計上する方法があります。

自動車関連の費用は使用日数走行距離で按分する場合が多いです。例えば平日を事業に、土日をプライベートに使っているのであれば、5日/7日を経費として落とすことができます。

こういった考え方はあくまで「例」であって、必ずしもそうしないといけないと決まっているわけではありません。

事業の内容や利用頻度によって異なるので、そのときどきで最も合理的な方法で判断をすることになります。

家族への給料について(青色事業専従者の3つの条件)

家族への給料を経費にしたい場合は事前に届け出が必要(青色申告の場合)になります。下記の3つの要件を満たしている場合には「専従者給与」として経費に計上できます。

1 青色申告者と生計を一にする配偶者やその他の親族であること

「生計を一にする」とは、「同じ財布で生活をしている状態」の親族のことを言います。
また、別居の場合でも生活費の仕送りをしているなどの事実があることで、生計を一の範囲に入ることもあります。

2 15歳以上

給料を払うことができるのは、その年の12月31日に15歳以上の人が対象です。

3 6ヶ月以上、その事業に専従し働いている

年間に6ヶ月以上、その事業に従事していなければいけません(これを「専従者」と言います)例えば平日は他の会社に勤めていて、土日だけ家の事業を手伝っているような場合は、専従者にはなりません。

青色事業専従者の届け出
令和3年(2021年)分から家族への給料を支払う場合は、令和3年3月15日までに「青色事業専従者専従者給与に関する届出書」の提出が必要です。

その他の経費について

生命保険料、医療費、健康保険料、国民年金などは、経費ではなく所得控除の対象になります。経費と混在してしまいがちなので注意が必要です。

事業用の借入金の返済についても間違えやすい項目です。

例えば1,000万円を借り入れたとき、もちろん、その金額は売上にはなりません。そのため、その1,000万円を返しても経費にはなりません。

ただし、元金(ここでいう1,000万円)に対してかかる利息については支払利息として経費となります。

住宅ローン控除がある場合の経費計上について

よくある例として以下のようなものがあります。

【例】
・自宅を購入して住宅ローン控除を受けていた。
・その後に起業をし、自宅の一部を事務所として使用。
・事業用として使っている部分は自宅の30%。

この場合、方法としては、

①事業割合(30%)の部分を減価償却費として経費計上する
②経費には計上せず、これまで通り、住宅ローン控除を受け続ける

の2通りの方法があります。

①の場合、光熱費や減価償却費の30%を経費に計上することができます。
しかし、これまで住居として100%の住宅ローン控除を受けていたのが、事業部分(30%)はその対象から外れ、居住部分の70%だけが住宅ローン控除の対象になります。

住宅ローン控除は「税額控除」であり、決まった金額が所得税から(控除額が所得税額を超える場合は、住民税からも)直接控除されます。
非常に節税効果の高い(税額を減らすことができる)方法です。

そのため、①のように減価償却費を経費として計上するよりも、これまで通り住宅ローン控除をそのまま受けていた方が、節税の効果が高い場合が多いです。

その辺りを考慮して、どちらを選択するのかを考える必要があります。

まとめ

・経費の考え方について、事業に使用しているものなのか?
売上を上げるためのものなのか?が基準になります。

・個人事業税は経費計上OK。
  ただし、所得税と住民税は経費になりません。

・事業用とプライベート用で一緒に利用しているもの(自宅、車、携帯電話など)は合理的な基準(床面積、利用割合、利用時間など)によって按分をする。

 

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