貸借対照表と損益計算書、どっちが重要?
会社は全ての取引を記録していく必要があり、
日々記帳していきます。
その1年間のまとめを決算と呼び、
決算書を作ります。
この決算書の中でも特に重要な書類が
貸借対照表と損益計算書です。
経営者としては、この2つを理解しておく必要があります。
よく
貸借対照表はB/S(ビーエス)、
損益計算書はP/L(ピーエル)と呼びます。
B/S(ビーエス)は、Balance SheetのBとSから、
P/L(ピーエル)は、Profit and Loss Statementの
PとLからきています。
まずは分かりやすい損益計算書の方から見ていきましょう。
損益計算書って簡単にいうとどんなもの?
損益計算書は簡単にいうと、
売上から仕入れや経費を引いて、利益はいくら?
という書類です。
これをもう少し細分化していきます。
売上から ※仕入れを引いたものが
売上総利益(あらりえき・あらりなどといいます)です。
※仕入れ・・売上に対しての直接原価、飲食業でいうと食材や飲料
その売上総利益から経費を引くのですが、
経費とひとくくりでは、わかりにくいので、
経費を交際費や旅費・広告費・事務用品費な
ど各科目に分ける必要があります。
全体をつかむ事が大事ですので、ざっとしたイメージとしては
売上ー仕入れ=売上総利益
売上総利益ー経費=利益
損益計算書は、これの1年間のトータルの数字をあらわしたものとなります。
損益計算書は1年間の利益(儲け)を計算する書類なので、
イメージはつきやすいかなと思います。
貸借対照表って簡単にいうと、どんなもの?
貸借対照表(BS)は決算日時点で、
どういった財産(会社にとってプラスのもの)を持っていて、
逆にどういった債務(会社にとってマイナスのもの)があるかを
表した書類です。
個人で例えると、お金や不動産などの財産をいくら持っていて、
逆に住宅ローンなどの借金がいくらあるか?
といったものです。
損益計算書は見やすくてわかりやすいのですが、
この貸借対照表は頭に入ってきにくい部分です。
経営者は、損益計算書だけでなく、
貸借対照表もわかるようになると、
店舗展開や新たな事業など数字の面で自信をもって
展開することが可能となるので、貸借対照表は重要です。
貸借対照表は決算日時点の状態ですので、8月31日決算ですと、
8月31日の状態となります。
【貸借対照表】
① 資産の部 |
② 負債の部 |
③ 純資産の部 |
|
資産の部合計 | 負債及び純資産の部合計 |
①プラスのもの(資産の部)⇒通常B/Sの左半分の部分です。
資産の部は決算日時点で会社がどんなものを
持っているかを表しています。
・預金はいくら持っている?
・売掛金(売上代金の未回収)はいくらある?
・在庫は?
・不動産は?
・投資したものは?
などの会社にとってプラスのものである財産の状態となります。
②マイナスのもの(負債の部)⇒通常B/Sの右半分の上側です。
負債の部は決算日時点で会社にどんな債務があるかを
表しています。
・借金はいくら?
・買掛金(仕入れ代金の未払い)はいくらある?
・経費の未払いは?
など、会社にとって今後支払うものや借入などになります。
③ ➀から②を引いたものが純資産というものです。
この(①プラスのもの)と、(②マイナスのもの)の差額が、
純資産の部(通常B/Sの右半分の下側です。)です。
この純資産が多くなるほど、安定した会社といえます。
よく自己資本比率という言葉がでてきますが、
この純資産の部をもとにして計算します。
貸借対照表を見ることで、その決算日時点でのおおよその
会社の状態(数字上)が分かります。
貸借対照表と損益計算書、どっちが重要?のまとめ
貸借対照表と損益計算書の重要性を説明してきましたが、
どちらが重要か?
と言われるとどちらも重要です。
私は最終的には貸借対照表が重要だと考えています。
なぜなら、いくら利益が出ていたとしても、貸借対照表次第によっては
会社が行き詰まる事もあるからです。
初めは分かりやすい損益計算書を理解していって、
徐々に貸借対照表を理解していくというのが自然です。
この2つを理解できると、
財務がかなり分かるようになります。
最終的には貸借対照表と損益計算書を理解し、
資金繰り表などでお金の流れがわかるようになれば、
会社の財務状態や大きな流れを理解できるようになります。
まずは貸借対照表と損益計算書を理解できるように
自分の会社や事業の決算の状態を把握していきましょう。