法人化した年の確定申告で個人事業税の見込控除を忘れるな!

個人事業をやっている人が法人を作り、
今後その法人で事業を行っていく事を
法人化とか法人成りといいます。
この法人化に伴う個人から法人への引き継ぎは重要な部分です。
基本的には個人事業の資産や負債を法人で引き継いで
運営していくことになります。
法人化する事で、個人として持っていたものを
法人が買い取り所有することになります。
⇒個人事業から法人化へのタイミングについての記事はこちら
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法人化のときにどうやって個人から法人にうつすの?
個人の資産や負債を法人が持つようになるのですが、
法人はそれをどうやって取得するのか?
という話です。
基本的には、個人から法人が買い取る事になります。
個人事業主からすると法人に売却する事になります。
>>>参考記事
⇒個人事業主として起業し、法人化(法人成り)で会社設立するまでの全まとめ
このときに、いくらで売却するのか?
といった事や法人に何を引き継ぐか?
というのを決めないといけません。
法人化は確定申告に影響する
もちろん、法人への売却があれば、
個人の確定申告に影響します。
(事業用固定資産の売却は総合譲渡となりますが、事業所得になるものや
所得は発生しないものなど区分が必要です)
法人化の際には少なくとも何らかの売却・受け入れがあるのが
普通です。
例えば、平成30年7月1日に法人成りにより設立した場合、
平成30年6月30日に個人事業を廃業した形になります。
この個人事業者は、平成30年1月1日から6月30日までは
個人事業としての収支があります。
そこに、法人化による資産の譲渡なども計算していくことになります。
また、法人の方もその個人から資産や負債を引き継ぎ運営していくことになるので、
その個人事業者の平成30年1月1日から6月30日分の確定申告の内容と
合ったものでなければいけません。
法人への引き継ぎというのは、通常の確定申告とは違い
特殊なところなので、気も使います。
その中でも個人の確定申告で忘れやすい経費があるので
ご紹介します。
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事業廃止年分の個人事業税の見込控除
個人事業税の見込控除というものがあるのですが、
その前にまず個人事業税が課税される流れや税率を
理解しなければ分かりにくいで、そちらから見ていきます。
個人事業税の計算方法
個人事業税は事業所得の場合、
所得が基礎控除の290万円を超える分に対して課税されます。
基本的な算式は、
[青色申告特別控除前の所得金額ー290万円(基礎控除)]×5%(業種により3%・4%)
となってきます。
これが通常の計算方法です。
税率が3%の業種
あんま・マッサージ・指圧・はり・きゅう・柔道整復・
その他の医業に類する事業と装蹄師業。
税率が4%の業種
畜産業・水産業・薪炭製造業
いつ納付するの?
平成30年分を例にすると、所得税の確定申告の期限が平成31年3月15日となり、
それを基に個人事業税の通知が平成31年の8月頃に来て事業税を納付する事になります。
この事業税は租税公課として経費として計上できます。
(所得税や住民税は経費となりません)
個人事業税の見込控除って何?
ここまでで勘がいい人は気づいたかもしれません。
個人事業として最後の年の事業税の扱いについての話です。
法人成りをした年に、個人事業は廃業となります。
例えば、平成30年7月1日に法人成りすると、
個人事業の最後の年としては、平成30年1月1日~平成30年6月30日
が最後に事業をしている期間となります。
この部分に掛かる所得税の確定申告期限は平成31年3月15日、
さらにその分の事業税の通知があるのが平成31年8月頃となります。
このときの事業税を納めるのが平成31年8月以降となるので、
法人化した後となります。
そのときには、
個人事業は既に廃業しているので、事業税を納めても経費に計上できません。
そこでこの個人事業税の見込控除という計算をして、
平成30年分の経費(平成30年1月1日~平成30年6月30日)
として計上していきます。
個人事業税の見込控除の計算方法
この見込控除、ちょっと算式が複雑です。
見込控除額=(A+‐B)×C ÷ (1+C)
A・・・事業税の課税見込額を控除する前の廃業年分の事業所得の金額
B・・・事業税の課税標準の計算上Aの金額に加算し又は減算する金額
加算する金額・・青色申告特別控除額(65万円又は10万円)
減算する金額・・事業主控除額290万円(月数按分)
C・・・事業税の税率(5%~3%)
計算例
この算式わかりにくいですよね。
例として、
平成30年1月1日から平成30年6月30日までの
青色申告特別控除前の所得金額が500万円
(特別控除の65万円控除後の所得は435万円)
のときの計算をしていきます。
事業税率は5%としての計算です。
(500万円ー290万円×6月÷12月)×0.05÷(1+0.05)=169,047円
A・・・500万円(435万円+65万円)
B・・・290万円×6月÷12月=145万円
(千円未満の端数がある場合は切り上げ)
C・・・0.05(5%)
この場合事業税の見込控除として、169,047円を租税公課として
計上できる事になります。
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まとめ
この個人事業税の見込控除はマニアックなところではありますが、
法人成りのときには計上できる場合が多いので、
最後の確定申告では忘れずに計上しておかなければいけません。
法人化に伴う引き継ぎではこういった普通の確定申告ではしないような
ものが色々あるので複雑になります。
法人成りをする場合は、そういった事も踏まえ
専門家に相談される事をおすすめします。