大阪の税理士が、会社設立・クラウド会計・確定申告など、気になる税金の事や役立つ情報をなるべくわかりやすく書いています。

300万の中古ベンツは節税になる?【新車と中古の違い】

WRITER
 
この記事を書いている人 - WRITER -
詳しいプロフィールはこちら

「節税のために300万円の中古ベンツを買うと良い」という話を聞いたことがありませんか?
「そんな話はよく聞くけれど、仕組みが理解できていない」という方も多いと思います。

今回は中古車の購入が節税にどのように有効なのか、また、新車と中古車の違いについても具体例を示して説明していきます。

動画でも解説しています。

節税対策にはなぜ「中古車」なのか?

なぜ中古車なの?新車ではダメなの?と思われるかもしれませんが、結論、中古車の方が早く経費にできるからです。

なぜ中古車は早く経費にできるのか、その仕組みを説明していきます。

中古車は耐用年数が最小2年になる

新車の法定耐用年数は6年です。6年かけて購入費用を経費に計上していくことになります。

一方で中古車で4年落ち(新車の初期登録から4年が経過)、もしくはそれ以上古い場合、耐用年数は最小の2年になります。

つまり新車では6年かかるところを2年で経費化できます。これが節税対策に中古車の購入がおすすめされる理由です。

新車と中古車の違い(定率法の場合)

新車と中古車で同じ価格の車両を購入した際の、経理処理の違いを具体的に見ていきましょう。

法人の場合は、基本的にはすべて定率法で減価償却をしていきます。

※個人の方でも届け出を出している場合は定率法で処理することができます。

新車を300万円で購入した場合

新車を300万円で購入したときの、減価償却による経費の計上額は以下のようになります。耐用年数が6年の新車の償却率は0.333です。

事業年度 経費計上額
1年目 999,000円
2年目 666,333円
3年目 444,444円
4年目 297,334円
5年目 297,334円
6年目 295,554円

1年目に最も多く経費に計上され、年数が経つにつれて計上額は小さくなっていき、6年かけて償却します。

中古車を300万円で購入した場合

一方で4年落ちの中古車を300万円で購入したときの、経費の計上は以下のようになります。

事業年度 経費計上額
1年目 2,999,999円
2年目 0円
3年目 0円
4年目 0円
5年目 0円
6年目 0円

4年落ちの中古車の耐用年数は2年とされていますが償却率は1.0です。そのため原則1年目に全額が経費として計上されます。

※1円の残存価格は残ります。

ただ以下の様に必ずしも1年目に全額経費に計上できるわけではありません。

1年目の減価償却は月割で行われる

例えば12月決算の会社で、12月に300万円の中古車を納車したとしましょう。この場合、1年目は月割の計算が必要になります。

2,999,999円 × 1月/12月 = 249,999円

12月の1ヶ月分の249,999円が1年目に、残りが2年目の経費として計上されます。

事業年度 経費計上額
1年目 249,999円
2年目 2,750,000円
3年目 0円
4年目 0円
5年目 0円
6年目 0円

車両の減価償却は納車のタイミングが重要

また減価償却は実際に事業に使っている日からが対象になります。

例えば12月に注文した中古車の納車が2月になるケースだと、2月から減価償却の対象になります。

いつ経費に計上するのが良いのか?

ここまで「中古車の方が早く経費に計上できて有利」と説明してきました。それは早めに経費に計上することで、直近の税金を減らせるからです。

もう少し詳しく「いつ経費に計上するのが良いか」を説明すると「所得が多い年ほど節税効果は大きい」と言えます。

企業は所得が800万円までは約25%、それを超えた分で1,600万円までは約35%の税金がかかります。

例えば上記の例ですと、2023年は所得が800万円を超えて、最大35%かかる部分があります。ここの所得を減らすために中古車を購入するのは、節税効果があります。

※実際は消費税等の計算も絡んでくるので、ここまで単純にはいきません。ちなみに消費税には減価償却の考え方がなく、購入したタイミングで全額控除します。

あくまで大まかな考え方ですので、正確に判断されたい方は顧問税理士にご相談されることをおすすめします。

まとめ

中古車は新車と比べて耐用年数が短いため、最小2年で経費に計上できます。

ただし同じ価格であれば新車でも中古車でも経費にできる総額は変わりません。

また購入する時期については、それほど気にする必要はありませんが、できれば税率が高いときに経費に計上するのが有効です。

最後に念の為の補足ですが、車両などの備品は売上を上げるために購入するものです。節税ありきで購入するものではないことを、頭に入れておく必要があります。

 

毎月3社様限定、設立手数料0円で会社設立前からサポート

会社設立を終えた後に関与させて頂いた場合に、

『なぜ株主はこのようにしたのだろう?』
『役員の決め方や、決算期はこの月の方が良かったのに』…

など、事前にアドバイスをすることにより、より良い状態や節税
となっていたのにという事が多々ありました。

事業を本格的に始める会社を作る段階でその土台部分をしっかりと
築いていくことが重要です。

大阪会社設立相談センターでは、事業を始めた後の事を想定し、
長期的な視点で会社を軌道に乗せるお手伝いをしています。

この記事を書いている人 - WRITER -
詳しいプロフィールはこちら

Copyright© 起業家・経営者を応援するブログ , 2022 All Rights Reserved.