リミックスポイントの決算・IR・株価の推移
2019年11月14日に、2020年3月期の第2四半期の決算短信を発表したリミックスポイント(3825)の決算内容や、株価の推移・現状の事業の状況などを見ていきます。
動画での解説はこちらからとなります。
リミックスポイントの決算短信の概要
第2四半期(2019年4月1日~9月30日)での前期比
売上高-1,322百万円、
経常利益–1,084百万円、
四半期純利益-4,423百万円
前期の第2四半期と比べ、各数値ともマイナスで業績が悪くなりました。
要因としては、金融関連事業の影響によるものです。
前期の第2四半期までは、金融関連事業の仮想通貨交換事業が好調だったのが、今期はトレーディングでの損失や仮想通貨の流出(特別損失 3,690百万円)もあり、売上・利益とも大きくマイナスとなりました。
また、通期の業績予想については、金融関連事業の損益が市場の変化などにも大きく影響され読めないために非開示となっています。
決算時の数値について
【2019年9月30日時点】
総資産 19,618百万円
自己資本 4,688百万円
自己資本利率 23.9%
自己資本比率は高いとはいえませんが、自己資本そのものは約46億円あります。
仮想通貨の流出があった後での数値なので、最低限は担保されている形です。
リミックスポイントの事業について
リミックスポイントは、大きく分けて4つの事業を行っています。
・エネルギー関連事業
・自動車関連事業
・金融関連事業(子会社のビットポイントジャパンが運営)
・旅行関連事業(子会社のジャービスが運営)
各事業の損益の推移について
下記は3カ月ごとの業績推移で、
左から
2018年4~6月、7~9月、10~12月、
2019年1~3月、4~6月、7~9月
となっています。
各事業の内容について
エネルギー関連事業
『リミックスでんき』による電気供給や省エネ施設等のコンサルティング(補助金支援事業)を行っている部門です。
エネルギー関連事業については、供給施設数や代理店数は順調に伸びていますが、契約電力については契約先の規模によるところもあり、比例して伸びているわけではないですが、事業としては安定しているようです。
猛暑の影響があった2018年7~9月期以外は、営業損益で黒字化しています。
自動車関連事業
中古車を中古車買取事業者から買い取り、中古車販売業者に対して販売するBtoB型のビジネス。
損益については0前後といった状況が続いています。
金融関連事業
注目されている金融関連事業(仮想通貨交換事業)については、良いときと悪いときの差が大きくなっています。
こちらについては、仮想通貨取引の出来高や大口取引の有無、カバー取引で価格差による利益をうまく取れたかどうかなどが影響します。
2018年9月までは黒字、その後赤字が続き、2019年7月~9月期では43百万円の黒字となっています。この黒字となった2019年7月~9月については、不正流出があった期間なので、この黒字が事業の建て直しによるものなのか、一時的な大口取引などによるものなのかは注目されるところです。
旅行関連事業
旅行関連事業については、
子会社の㈱ジャービスが事業企画・開発を行っており、孫会社の㈱アナザーが運営を行う形で、自社案件第1号として
「an/otherTOKYO」が2019年5月に開業しました。
その他にも開発中のところがいくつかあるので、期待されていました。
ですが、2019年9月に㈱アナザーの株式を全株譲渡したことにより、連結対象から外れましたので、この影響がどれくらいあるのかは未知数です。
2019年4月~6月期で492百万円あった売上が、2019年7月~9月期では6百万円になっています。
今回の決算説明資料では、ホテルコンドミニアムを第一号案件として2019年12月に神楽坂で着工予定となっています。
こちらは、販売後に管理運営業務を受託の予定とのことです。
リミックスポイントの株価の推移について
現状の株価ですが、2019年12月16日の終値で191円、
時価総額は約111億円です。
株価の推移としては、
2017年以降で大きな株価の急騰が2回ありました。
2017年の始めは120円くらいだったのが、
2017年6月に最高値が1,820円、その後下げたあと、
2018年5月に、1,843円となりました。
【リミックスポイント チャート】
1回目の2017年5月に急騰しているのは、仮想通貨業界に参入したあと、ピーチとの提携やコンビニとの提携の話のほか、様々なPRなどが出て人気化したのが要因です。
その後一時的に下がったあと、2018年5月の際は再度盛り上がった形です。
そこから、ピーチやコンビニとの提携が実現しないことなどもあり、株価が下がり、その後の2019年7月にはビットコイン・ビットコインキャッシュ・イーサリアム・ライトコイン・リップル、あわせて約30億円の流出があり、対応費用など含めて36億9千万円の特別損失を計上しました。
このときに、資本出資・ホワイトラベルの提供をしているビットポイント台湾でも不正流出があり、そのビットポイント台湾から不法行為に基づく損害賠償も提起されています。
(10億2419万8214円)
こちらについて、ビットポイントジャパン(リミックスポイントの完全子会社で仮想通貨交換事業を運営)としては、原告らの主張には理由がないものとの認識で、ビットポイントジャパンの見解の正当性を主張していく方針とのことです。
まとめ
現状は時価総額が111億円となっているリミックスポイントですが、一時期は時価総額が1,000億円を超えかなり期待されていました。
仮想通貨の市場は、以前ほどの盛り上がりはありませんが、今後また盛り返す可能性もあります。
リミックスポイントという会社は、新しい事業を軌道に乗せていく力を持っていると思うので、今後に期待したいところです。