脱税と粉飾の違い
脱税とか粉飾とかいう言葉。
聞いたことはあるかと思います。
イメージとしては、
税金をごまかしていて、悪いことをしているという
感じじゃないでしょうか?
それでは、
この
『脱税』と『粉飾』
何が違うのでしょうか?
脱税とは?
簡単にいうと、
利益を不当に減らし、必要な税金を納めない行為です。
会社の場合ですが、法人税は利益に対して税金がかかります。
という事は、利益を減らすと税金も減る事になります。
この利益を減らすために、
不当な売上の除外や
不当な経費の水増し・架空経費などの計上をする、
そういった行為を脱税といいます。
(偽りその他不正の行為)
極端な話、
例えば、
5,000万円の利益がでている会社で、
約1,800万円の納税が必要という場合。
経費を5,000万円水増しし、
利益をゼロにすると、
納税も数万円程度の均等割りのみで税額はほぼゼロとなります。
1,800万円の納税が数字上ゼロになってしまうことになります。
これが、脱税です。
ただ、こういった事をしてしまうと、
必ずつじつまが合わなくなってしまいます。
脱税の罰則は?
それでは、この脱税が見つかるとどうなるのでしょうか?
軽い罰則では、脱税が横行してしまいますよね。
なので、脱税をすると重い罰則があります。
① 脱税の刑事罰
法人税の脱税の場合、10年以下の懲役もしくは1,000万円以下の罰金。
又は併科です。
② 重加算税や延滞税の納付
脱税という事ですので、仮想隠蔽の事実がある事により、
重加算税として本税の35%が課されます。
更に納期限からの日数に応じ延滞税が必要です。
③新聞やニュースへの掲載による社会的制裁
新聞やニュースなどのマスコミ掲載による
社会的イメージのダウンがあります。
やはりこういった事があると、得意先や仕入先が離れる原因となります。
このリスクは大きいですよね。
脱税をしておいて、後で罰金を含め支払さえすればOKと思っている人も
いるかもしれません。
ただ、その考えは通用しません。
こういった社会的制裁を受ける事で、業績が良くても
一気に落ち込む事につながります。
そういったリスクを取って脱税をする事に
意味がないという事が分かるかと思います。
脱税をしてしまうと、良い業績でも一気に廃業に追い込まれる
リスクを常に抱えてしまうという事になります。
④調書や裁判への対応などの時間的ロス
脱税事件となると、
その内容の取り調べや裁判の対応などでかなりの時間が必要と
なってきます。
まず、国税局で何回にもわたって聞き取りされ
調書を取られる事になります。
その長い調書が終わったと思っても、次には起訴され裁判となります。
こういった時間的拘束・精神的なダメージはかなりのものの様です。
粉飾って何?
これに対して、『粉飾』は不当に業績や財産状態を良くすることで、
投資家や取引先・銀行等に誤った情報を与えるというものです。
脱税が利益を減らすのに対し、
粉飾は利益を増やす形になります。
業績を良くして
銀行借り入れを進めるといった事や
株主に対しての体裁を整えると
いった事があります。
よく似た感じなので、両方がごっちゃになっている人が多いみたいです。
脱税と粉飾についてのまとめ
脱税や粉飾は、もちろん認められていないものです。
こういった事は、結局は自分の首を絞めることになりますし、
辻褄が合わなくなり、最終的にはバレることになります。
また、脱税や粉飾のリスクを抱えながら経営する事は、
いくら業績が良くても、安定という事につながりません。
1つのあやまちで、一気に存続の危機という事になるので・・・
念のためにですが、
私の事務所では節税は当然やりますが、脱税や粉飾はやりません。
そういった目的での問い合わせなどはお断りしております。